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ケニア撮影旅行記(8)---ナクル湖④ヒョウLeopard [Kenya Safari]


ナクル湖国立公園で出会える動物はいろいろいますが、1~2日では運が良くないとなかなか出会えない動物にヒョウがいます。ヒョウは警戒心が強くサファリカーで歩いているところに偶然出会うことは少ないと思います。たいていは樹上にいるのでサファリカーで森の中の道をゆっくり走りながら探します。ナクル湖はオフロード(草地)走行が厳しく禁止されていますから、アフリカ人の良い眼で見つけたとしても写真を撮るには遠すぎたりすることも多いです。

上の写真はそういった距離がわかるように35mmフルサイズ・センサーのCanon EOS 1Ds MarkIIに500mmレンズを付けた状態の撮影で、左右ノートリミングの画像を載せてみました。
(何となくハイビジョン比率のほうがが格好良く見えるので上下のみトリミングしてます。)

写真の真ん中を良く見てください。獲物のインパラを太い幹がほぼ水平になったところと枝に上手く引っ掛けてムシャムシャと食べています。肉の減り方を見ると少なくとももう丸一日以上は食べ続けていたと思われます。最初に重心を考えて引っ掛けても食べ進めるうちにバランスが狂ってきますから、時々噛んで持ち上げてはまた重心を取り直します。頭良いですね。そうしないと食べてる途中で下に落っことしてハイエナにとられちゃったりするからです。

ヒョウは次に紹介する予定のマサイマラ国立保護区でも撮ってますが、ナクル湖では2回目に来たとき初めて出会えました。(と言ってもナクル湖通算で2日目ですけどねw)
マサイマラは1回で2週間ぐらい滞在したので1年目、2年目と年毎に書こうと思いますが、ナクル湖は1回につき1日のみのサファリなので年毎に区別しないで書いてます。

この2回目のナクル湖ではまだビデスコどころかビデオ自体持って来てなかったのでヒョウのビデオは撮ってません。ビデスコには丁度良い距離だったので残念。3回目と4回目にもヒョウに会ってますが、遠すぎたり、暗すぎたりして良いヒョウのビデオは撮れませんでした。

このようにサファリってまず第一に運なんですよね。どんな良い機材を用意して、また腕が上がったとしても、目指す動物に出会えなかったらそもそも撮りようがありません。また撮影はドライバーとの共同作業とも言えるのでドライバーとの息が合わないと良い写真が撮れません。1年目の初サファリは兄と同じ車に乗ったのですが、そのドライバーは兄が10年以上気に入って使っているベテランドライバーなのであまり細かく指示しなくてもすぐに良い位置にサファリカーを付けてくれました。ところが2年目は1人で自由に撮ろうと1人で乗ったのですが、その2年目の最初のドライバーはベテランではありましたが実力は兄のドライバーと比べると段違いで、プロレベルの撮影なんかを案内したことはほとんど無いだろうことはすぐわかりました。良い写真を撮るにはドライバー自身にも良い絵心が無いとだめなんですよね。自分が車止めた位置が適切かどうか?カメラマンの次の指示を待つ態度が緩慢でいらいらしました。オフロード走行が出来ないナクル湖ではあまりドライバーの差が出ないように思いましたが実際はそうじゃ無かったです。この2年目はドライバーが次々変わることになるのですが、それは2年目のマサイマラの話のときに改めて書くことにします。

また少し難しい話で長くなったので、サービスに上のヒョウの顔のアップの写真をお見せしましょう。同じヒョウを同じような距離から別角度で撮った写真からトリミングしたものです。もう新型が出てますが、デジタル一眼レフで当時最高画素を誇ったCanon EOS 1Ds MarkII(1670万画素)と純正500mmF4 ISレンズの威力の一端がわかると思います。つまり上の写真も顔部分はこれと同じ解像度を持っています。(暗かったので、色少し悪いけどね。)

「やっぱりいいわ、Nikonじゃなくて、Canon!(笑)」 by Yasuo


ケニア撮影旅行記(7)---ナクル湖③フラミンゴの動画切り出し [Kenya Safari]


Xacti DMX-HD1をビデスコにして撮った動画から切り出した静止画です。現行のDMX-HD1000ならこれより段違いの綺麗さになるはずです。同時にデジタル一眼レフで撮ってるときはXactiで独立した静止画撮ることは無いので後で動画から切り出す静止画の画質が重要なわけです。

このカットはビデスコでも広角寄りで撮ってますが、それでもHD1の本体のみの望遠端の3倍以上にはなってると思います。
最近ナクル湖も日本じゃないアジア系の観光客が多くなって、そういうツアーの人たちは皆、フラミンゴをバックに自分たちの記念写真を撮ろうと思って、車から降りて水際をぞろぞろ歩いちゃうんですよね。
で、警戒心の強い野生のフラミンゴはどんどん沖のほうへ逃げて行ってしまうのです。なので10倍ズームぐらいのビデオではフラミンゴが小さくなり過ぎちゃうんです。そこでビデスコにして沖のほうを狙ったというわけです。

もとは720pのハイビジョンで、動画で見ると迫力あるんですが、残念ながらこのブログでは動画はやりません。この撮影旅行記は長期連載するつもりなので動画で容量を消費したくないからです。

最近DMX-HD1000を買ったという話をしたのでその前身のHD1の動画切り出しの例をお見せしました。HD1の動画切り出し静止画はこの先の記事にもまた使おうと思っています。

ナクル湖国立公園はフラミンゴやペリカンばかりではないので次回はほかの動物たちの話をしましょうね。


デジタルカメラに思うこと(3)---SANYO Xacti DMX-HD1000を買う [column]


DMX-HD1000のHD動画から切り出した静止画。AIBO同好会、高津オフにて撮影。

前回、デジタル一眼レフを初めて買った時の話をしたので、次は初めてのサバンナ撮影旅行に持っていった機材の話をする予定でしたが、先週末にDMX-HD1000を買ったので急遽このデジタル・ハイビジョン・ムービーカメラの話を先にすることにしました。

まずはその前身、DMX-HD1の話から始めます。

私はスチール写真が好きなのですが、リーダーの人がビデオ主体で撮っていることもあり、2006年8月、3回目のケニア行きの直前にXacti DMX-HD1を買いました。マイナーチェンジ版が既に発表されていたのでかなり安く買えました。

何でもっとメジャーなメーカーのじゃなくてSANYO Xacti DMX-HD1を選んだのか?
お金をケチった訳でもありません。あくまでスチール写真の片手間でビデオも撮ろうと思ったのでこれにしました。というか「これっきゃない!」と思いました。

何でか?大きく重いCanon EOS 1D系ボディと500mmレンズを使いながら、片手間でビデオ撮るにはどうしてもこの拳銃型グリップが有効だったからです。これに小さいモノボール型雲台をつけ、サファリカーの屋根の縁に固定して写真を撮りながらこのXactiのグリップをグリグリと動かすのです。こうすることによって「EOS」と「Xacti」つまり「写真」と「動画」の二丁拳銃による同時撮影が実現しました。

XactiはさらにKOWAのスポッティング・スコープを使い、ビデスコにも挑戦しました。

このビデスコは野鳥撮影でやってる人は多いでしょうが、2006年8月に私はケニアに持ち込みフラミンゴやペリカンの飛行からチーターの子供に近づけないときなどにも活用しました。

そのようなわけで、先週末、次期モデル発表近くなって安くなっていたDMX-HD1000を来月のタンザニア行きのために買ったというわけなんです。この手のものは「使う時が買い時」なのでかなり安くなってたし良い買い物したと思っています。少なくともタンザニア行くまでにはまだ新しいのは出ないでしょう。HD1に比べ高感度撮影にかなり強くなっています。動画に関してはISO800までは実用と思います。薄暗い早朝や夕方に多くのチャンスが訪れるサファリには嬉しい進化です。

このXactiやビデスコの話は、まだつづきます。「ビデスコって何?」って方は検索してみてください。


ケニア撮影旅行記(6)---ナクル湖②フラミンゴとペリカン [Kenya Safari]


ナクル湖といえばフラミンゴ、フラミンゴといえばナクル湖って言うぐらいここのフラミンゴは有名です。さだまさしの「風に立つライオン」という曲の歌詞で「100万羽のフラミンゴが一斉に翔び発つ時 暗くなる空や」というのがありますね。密集しているフラミンゴが一斉に翔び発てば確かに空が暗くなる程でそういう写真を先ず誰でも撮りたくなりますよね。でも私は未だそういう決定版の写真は撮れてません。
何故か?そういうのが撮れるチャンスは主に夕方なんですが、私はペリカンが好きなのでどうしてもペリカン主体で追いかけちゃうからです。ペリカンも夕方がチャンスで上の写真のように水際近くを低空飛行してきます。
何でそんなにペリカンが好きなのか?実はケニアに初めて来る前、上野動物園内の不忍池(鵜の池)のペリカンで買ったばかりの機材のテストをしてきたからです。その池で飼われているペリカンはここのペリカンと同じ、モモイロペリカンっていうのですが、池で放し飼いのため飛べないようにされています。なのでここナクル湖で初めて大空を飛び回るペリカンを見たときとても感動しちゃいました。

同じ湖にフラミンゴとペリカンが居るのだから両方上手く撮れば良いじゃないか?確かにそうなんですが、日程上ナクル湖で撮影出来るのは丸1日のみなのでどうしても撮りたいほうを優先しちゃうのです。またフラミンゴとペリカンが沢山居る場所は異なります。フラミンゴが密集している所(浅瀬が広がっている所)にはペリカンはあまりいなくて、ペリカンが集まってる所にはフラミンゴはあまり居ません。そこでフラミンゴがなるべく密集している所をペリカンが飛行するときフラミンゴをバックにペリカン撮ればペリカンを主役で撮っても「なるほどナクル湖だ!」という写真になると思い、上のようなチャンスを狙うようになりました。このチャンスが訪れる時間は「フラミンゴが一斉に翔び発つ時」とまさに一致するので中々そのフラミンゴの定番中の定番の良い写真が撮れないのです。

初めてナクル湖へ行った2004年8月は、フラミンゴとペリカンの習性が良くわかっていなかった(勉強して行かなかった)ため今から見るとつまらない写真ばかりに見えてしまうので、ここで初めてお見せするサファリの写真ということもあって3回目に行った時に撮った、私の写真のうちでもお気に入りのランクの写真を特別お見せしました。(インターネットでは原則として写真展出品クラスのやつはお見せ出来ません。ごめんなさい。)

ケニア行くまで、野鳥などの飛び物を撮る経験は殆ど無かったので、たった1日のナクル湖でこの程度の写真を高い確率で撮れるようになるにはオートフォーカスの使い方などいろいろ試行錯誤がありました。この辺は私より普段から野鳥を撮るのを趣味にしている方のほうが実力は断然上だと思いますので、あえて私がここで薀蓄を述べることは無いのですが、バックのフラミンゴをどの程度ボカせば写真全体として綺麗かなどはその人の感性によっても違うと思います。この写真では500mm(開放F4)をF8まで絞って背景のフラミンゴをあまりボケボケにはしないほうが良いと思いました。

なお、私は背景を流す流し撮りとかの特殊な場合以外は全部絞り優先モードで撮っています。絞りを幾つにするかは写真表現に重要な要素と思っていますので、プログラムモードを使うことはまずありません。その代わりシャッタースピードはしょっちゅうファインダー内で確認して遅いときはすぐISO上げます。
ただ頑固に絞り優先モードに固執すると思わぬ失敗もありますね。そのため細かい写真表現より撮ることを優先する人はベテランの方でもプログラムモードを多用する人もいます。元新聞記者で写真部にも居たこともある兄がそうです。確かにサファリカーの中で居眠りしていて「動物が来たぞー」と急に起こされてもすぐ対応出来る利点はあります。私なら先ず絞りは幾つだったかなとか確認するのでワンテンポ遅れてしまいます。私も居眠り始めそうな時はプログラムモードにしとこうかな(笑)。


ケニア撮影旅行記(5)---ナクル湖①サバンナ初めての夜 [Kenya Safari]


上の写真はナクル湖国立公園のメインゲートの写真です。2度目に来たとき撮ったものです。この国立公園は付近に人が沢山人が住んでいるので周りには柵があり、動物は自給自足していますが、いわば本場もんのサファリパークみたいなものです。元々は居なかった動物を他から連れてきて繁殖させたりしていろいろな動物が見れるようにしています。(例えば、南アフリカから来たシロサイとか。)鳥はもちろん柵なんて関係ないですから出入り自由ですけどね。

この写真にサファリカーが2台写っているのでちょっとサファリカーの話をしておきましょう。サファリカーと言っても車自体は普通の市販車と同じですが、天井が大きく開閉するように改造されています。開閉の方法は車によって違いますが、大きく分ければ2種類です。つまり天井の大部分を折返し式のステイで上に持ち上げて止めて真上からの日差しを防ぐタイプのもの(写真の白いワンボックスカー)と開ける部分に蝶番が付いていて、下から押し上げてひっくり返すタイプのもの(うしろのモスグリーンの車)があります。どっちが良いかと言うと上からの直射日光を防いでくれる前者のほうが私は好きですが、後者のほうは真上も撮れたり、360度全方向邪魔なステイが無いという利点もあります。だから前者のほうが一般向けで後者のほうは強烈な紫外線にもめげないプロ向きとも言えます。

このブログタイトルの右に貼ってある車の写真は私がLEGOで作ったサファリカーなんです。天井の真ん中が前後へ観音開きする、上の説明では後者のタイプです。天井から写真のようにカメラを出して撮影します。チーターのフィギュア以外は全部LEGO部品で作ってあります。サバンナ・サファリの思い出に作ってみました。本当は4ドアにしたかったんですがLEGOでは作るのは難しいです。

翌日のゲームドライブ(車でサファリに行くことをこう言う)の話の前にその日の夜のことを少し書いてみましょう。泊まったロッジの名前はライオンヒルです。ライオンヒルの情報は他の旅行記に沢山出ているので私は特に書くことは無いのですが、湖にも近くて便利なところです。バイキング式の食事も普通の洋食が食べられる人なら何も問題ありません。十分美味しいです。

ケニアへ来て初めての夜ですが、とても寒かったです。真夏の東京から来たせいもありますが、夜あまり眠れなくて外へ出て気温計ったら15℃ぐらいでした。ナクル湖は標高1759mとのことですからナイロビと比べても標高はさほど高いわけではありません。でもナイロビは真昼間に着いたので気温は30℃以上はあったと思います。「夜は寒いよ」とは行く前から聞いていましたが、本当に赤道すぐ近くのところなのにストーブが欲しくなるのを実感しました。真夜中に空を見上げたら北斗七星が真上にはっきりと見えました。

2日連続の寝不足に加えて6時間時差でも元気良く早起きし、朝食前にコテージの前の庭にいた野鳥で撮影の練習してしまいました。さすがに暗くて速いシャッターが切れずブレブレでした。いくら手振れ補正付きレンズでも相手が速く動いちゃ効き目はありませんね(笑)。


ケニア撮影旅行記(4)---ナクル湖国立公園への道中 [Kenya Safari]

ナイロビの空港に着陸したのは現地時間で昼の12時半ぐらいでした。日本との時差は6時間、飛行機に乗った時間はおおよそ羽田から関空まで1時間、関空からドバイまで9時間、ドバイからナイロビまで5時間で合計15時間ぐらいですが、2回も乗り換えているので羽田に集合してからもう23時間ぐらい経っていました。つまり丸一日掛かってナイロビまで来たことになります。

着いたのが昼なのでナイロビに泊まったりせず、すぐにチャーターしてあるサファリカーに乗って最初の目的地であるナクル湖国立公園へ向かうわけですが、昼時なので空港から少し走ったところにある日本食レストランに寄りました。慣れない飛行機の長旅だったので私は疲れて食欲は無かったのですが、現地のタスカービールを飲んで元気を回復しました。このビールなかなか美味しいです。
ビールは毎日飲むので安心しました。
              

その後ナクル湖に着くまで2回程停まりました。1回目は例の「地球の裂け目」グレートリフトバレー(大地溝帯)ピューポイントです。序文にも書いたとおり私は殆ど観光気分ゼロの撮影旅行に来ているのですが、ここからの景色には特に感動は無かったです。「あそこが裂け目だ」ってわかるようにはっきり見えるわけでもなく、悪名高き(笑)観光客目当ての物売りがうるさいことうるさいこと。まともに景色見せてくれません。黙って聞いてりゃ、ソープストーンだかなんだか知りませんが、どう見ても5ドルでもよいようなものを最初は40ドルとか言ってきます。値切ればどんどん安くなるようですが私には安くなっても欲しいと思うようなものではないので無視していました。(ノーサンキューって1回言って素直に聞くような連中じゃないw)この辺は元々海外旅行が好きな人はまた別の考え方をするのでしょうが、私は興味ないものは興味ないのであって、別にこのような観光客相手のケニアの人に喧嘩売ってるわけじゃありませんが、相手の心理を考えもせず、押し売り一辺倒じゃ嫌な気分だけが残ります。ホテルやロッジの売店なんかはもちろんそんなことはありません。「よく見て好きなものがあったら買ってください。」という普通の態度なので安心です。

2回目に停まったのは、よくあるトイレ休憩所みたいなところでお土産物屋もあります。店の人はもちろん買って欲しそうでしたが、上記ビューポイントみたいな押し売りはありませんでした。でも買いそうだと思ったらそうでもないんでしょうね。シャイな私にはやっぱりロッジののんびりした売店なんかじゃないと苦手なのでパス(笑)。

ナイロビからナクル湖までの道路はアスファルトで舗装されていますが、安上がりに仕上げてあるので穴ぼこだらけ、そこをボロいタイヤ履いた車で飛ばすので慣れるまで少し怖いです。またスピード出させないようにしたいところにはわざと凸面を作ったりしてます。そんなところを普通のスピードで突っ込んだら車は宙に舞ってしまいます。でももちろん現地のドライバーは熟知しているのでそこは歩くようなスピードで通過します。またポリスが検問なんかで停めたいところには大きな釘が沢山逆さまに刺してある木材を置いて強制的に停めたり減速させたりします。道路上に凶器みたいなものが置いてあるわけですから、初めて見るとギョッとしますが、郊外では当たり前の風景なんでしょう。

そんなこんなで、昼食の休憩もあり、ナクル湖国立公園のゲートへ着いたのはもうだいぶ暗くなっていました。明るいうちに着けばちょっとは夕方サファリが出来たのに残念です。昼食とグレートリフトバレーは要らなかった(笑)。


デジタルカメラに思うこと(2)---デジタル一眼レフを初めて買う [column]

前回、デジタルカメラはフィルムカメラと違ってフィルムにあたるセンサー部分を含む全てを買い換えなければならないのでお金が掛かるという話をしました。

ブログやホームページに使う写真を撮るためにデジタルカメラ使ってるという人の中にはそんなに買い換えの必要性を感じない人の方が多いでしょう。また一昔前の200万画素クラスのデジカメでも十分だと思っている人も多いでしょう。それは全然間違った話ではありません。

でもフィルム写真、特にレンズ交換出来る一眼レフ等をかなりやっていた人にとってはコンパクト型デジカメではどうしても欲求不満になる大きな問題がありました。それはピントが前後に合いすぎて人物を綺麗に見せるため背景を綺麗にぼかしたりするフィルムカメラの伝統的な手法が使えないのです。(ピントが合ってるところから段階的にボケて行くことによって絵に立体感を出したり、背景がうるさくならないように整理したりすることが出来ない。)

このことはもう知ってる人には当たり前の「釈迦に説法」なんですが、普通のデジカメから写真始めた人にはあまりわからないことかもしれません。でも背景から少し離れて人物の胸から上ぐらいの写真を撮ってみれば、自分のデジカメは最新のもので800万画素もあって高精細な絵なんだけど、どうしても雑誌とかに載ってるプロの撮ったモデルさんの写真とは大きな違いがあるのはすぐ気付くと思います。

この辺はカメラ初心者さん向けにあまり詳しく書くと長くなるので簡単に結論だけ説明しますと、コンパクトデジタルカメラではフィルムに当たるセンサーの大きさが極端に小さいため、フィルム時代のようなボケを上手く使った多彩な表現が出来ないのです。またセンサーが小さいまま高画素にするので1画素当たりの光の量は極端に少なくなりますから暗いところで撮った写真の画質が極端にノイジーになったり、色が極端に悪くなったりします。

そこで、特にフィルム一眼レフユーザーから35mmフィルムと同じサイズのセンサーを持ったデジタル一眼レフカメラが待望されるようになりました。(またフィルムカメラ用にそろえたレンズをデジタルでも使いたかった。)

でもセンサーを一挙に大きくするのはコスト的にいろいろ問題があって、今でも多くのデジタル一眼レフは面積で35mmフィルムの半分未満のAPS-Cというサイズが一般的です。(それ以上フルサイズに近づくにしたがって高価になります。)

(APS-Cの賛否)でもセンサーが少し小さいことは望遠レンズの画角(写る範囲)が狭くなるので望遠を多用する人には有利になる面もあります。反対に広角が好きな人にはより高価になる超広角レンズを買わなければならず不利になります。(今ではAPS-C専用のの超広角レンズも多数出ていてこの問題はだいぶ解消されています。)

で、このデジタル一眼レフの話に戻しますが、普通の金銭感覚のアマチュア・カメラマンが試しに買ってみようかなと思わせるような「デジタル一眼レフ価格破壊の第一号」が2003年9月20日に発売された初代Canon EOS Kiss Digitalでありました。これが予想以上の大ヒットとなったため、Nikonも対抗して半年後の2004年3月19日にD70を発売しました。

この初代Kiss DigitalとD70によって一挙に一般向けデジタル一眼レフの開発競争が他のメーカーも巻き込んで急ピッチで激化するようになりました。

私も新しいもの好きなので、来るべきデジタル一眼レフ時代を予測して、Kiss DigitalとD70は両方とも発売日に買ってしまいました。(まだ過渡期なのであえて上級機を買わずお試しのつもりでわざと初級機から狙いました。またCONTAXをやめるのでCanonとNikonのどちらへ移行するか考えるためにも両方買いました。)

先ず先に買った、Kiss Digitalを早速安いセットレンズ(Canonは初めてだったので)で試してみたらなかなか行けるじゃないですか。それならと持っていたフィルムカメラCONTAX用のプラナー85mmF1.4(女の子のポートレート撮る定番レンズw)をレンズアダプターを介して付けて撮ってみたら、

「おお!キスデジでもちゃんとプラナーしてるジャン。背景は綺麗にボケボケだー!!!」ってなことになってデジタル一眼レフにすっかり嵌ってしまいました(笑)。

これが今から4年半近く前のことでした。

つづく


心配なニュース---ケニア暴動 [Kenya Safari]

ケニアの暴動が深刻なようですね。私の過去のケニア旅行は純粋な動物撮影旅行なのでナイロビ着いたらすぐにチャーターしてある車や飛行機で保護区や国立公園へ直行するので街中が慣れてない旅行者に治安上問題があっても現実に損害を受けるようなことは何も起こりませんでした。でも暴動では話が全然違いますよね。車の移動とかすごく危険そう。最近のCNNのネットニュースでは1月の観光予約は9割がキャンセルになっているとか書いてありました。

平常時であれば、ナイロビ着いても街中でうろうろせず、保護区や国立公園へ行ってしまえばそこはサファリ関係者か特別居住を許されてる現地人しかいないので、物売りに付きまとわれたりすることも無く、気持ちよくゲームドライブやロッジで楽しむことが出来るのですが、暴動ではそもそも保護区へ無事着けるかもわからないからそうなる(キャンセルのこと)のでしょう。もっともよほど運が悪いと保護区内でもゲームドライブ中に強盗にあったりすることもあります。また密猟者なんかも未だにいます。現に私もマサイマラ滞在中に近くで強盗のニュースを聞いたり、密猟者護送中の車に出会ったこともあります。

3月にナイロビ経由で初タンザニアへ行こうと最近決めたので私もナイロビが心配のこのごろです。


新連載?デジタルカメラに思うこと(1) [column]

このブログは前回書いたような理由で突発的に始めたわけなんですが。先へ進む前にデジタルカメラについて少し思いを書いてみようと思いました。

カメラマニア向けに書くのではありませんが、デジカメ初めての人には少し難しいかも?

初めてのカメラがデジタルカメラだという人はこれからどんどん出て来るわけですが。現在写真を撮ることが好きだという人の多くはまだフィルムカメラを使ったことがある人だと思います。
私も当然その一人なのでデジタルカメラの話を書くにはフィルム時代のことから書かなければなりません。(そのうち「フィルムって何?」なんて若い人に言われる時代はもうすぐだと思うのでまだわかってもらえる今のうちにw)

一言にデジタルカメラと言っても携帯電話に付いたようなものから最新のプロ用デジタルカメラまであるわけですが、そのまず一番の違いはセンサーの大きさによるものだと思います。(CCDとかCMOSとか言ってるもの)

これに対してフィルムカメラとは一般には35mmフィルムカメラのことをいうので、「写るんです」とかの使い捨てカメラからプロ用35mm一眼レフカメラまでデジタルカメラでセンサーに当たるフィルムの大きさは同じです。

フィルムカメラではこのようにカメラ超入門用からレンズと合わせて100万円を超えるような超高級なものまで使えるフィルムの大きさには差別はありませんでした。
だから使い捨てカメラを除けばどんな安いカメラでも超高級カメラと同じフィルムが使えたわけです。

ところがデジタルカメラになってフィルムがカメラ内臓のセンサーに置き換わり、カメラのグレードはまず内臓センサーの違いということになりました。

フィルム式であればレンズが交換出来るタイプのカメラならば写りの差は一番には、付けるレンズの差、解像力とか発色の良さとかによって決まるので、安いカメラボディでも良いレンズを付ければ、高価なボディのカメラより良く写るなんてことは当然ありえました。自動露出とかオートフォーカスとかボディ自体の差を腕でカバーすればね。

ここまで書いて何が言いたいのか?

先ず第一にデジタルカメラに嵌るとどんどんお金が掛かるようになりました。

携帯電話に付いてるカメラで十分と思ってる人も世の中多いでしょう。携帯電話のカメラの写真だけで写真展をやっても面白いと思います。
でもカメラの趣味は奥が深い。例えば多人数で共同の写真展を開くとします。もちろん写真の出来が良いとか悪いとか言うのは画質の差では決まるものではないですが、同じ時、同じ物や同じ風景を同じような構図で撮ったのを比べて見ればレンズを含めてカメラの差は少しでも画質にこだわる人が見ればすぐわかるでしょう。

その画質の差がわかったとしても、それがかなりの差であれば、その画質を決める部分を買い換えなければ同じようにはなりません。(もっともデジタル写真はレタッチでかなり変わるのでプリントしたやつだとを単純に比較は出来ませんが、まあここでは単純に考えておきましょう。)

コンパクトデジカメのようにレンズ一体型であれば新しいのが欲しくなり。レンズ交換出来るカメラの人はまだ高価なデジタルボディを買い換えなければなりません。

デジタルカメラメーカーも過当競争で厳しいですが、絵の出来にこだわるデジカメユーザーの財布も厳しいです。過当競争に敗れたカメラメーカーは止めてしまいますが、そのシェアは別の強いメーカーが取るわけですからやっぱりどんどん市場に新しい物欲刺激するデジタルカメラが出て来るわけです。

この話はここで終わりではなく、まだつづきます 。

デジタルカメラの話はケニア撮影旅行記の中でも沢山書く予定ですが、一般的にデジタルカメラに思うことは独立したほうが良いと思い、別にコラムと言うほどのものかはわかりませんが別タイトル別カテゴリーで書くことにしました。


3回目まで書き終えて [Kenya Safari]

たまたま電話していて知らせてしまった友達から言われました。「写真が全然ないよ。もっと写真のっけてよ」とね。タイトルが撮影旅行記なんだから当然のご意見だと思いました。

ただ残念ながらこの撮影旅行記は写真を沢山お見せするために始めたものではありません。アマチュアでありながらもプロフェッショナルな方に同行し、機材も本格的には初めて使うものばかりで、いろいろ試行錯誤しながら奮闘してきた俄(にわか)一アマチュア写真家の撮影の苦労話みたいなものを自分のために書き留めておこうと思って始めました。

それなら自分のパソコンの中にだけ書いとけばよいようなものですが、自分しか見ないのでは気楽な反面、何のプレッシャーも無いわけですから全く「ひとりよがり」になってしまう危険性があります。それではせっかく文章を書き溜めても後で他に応用が利かずただの書きっぱなしになってしまいます。なのでブログにしてみようと思いました。

だからケニア旅行や野生動物に興味があって写真情報が欲しくて見に来て下さった方はごめんなさい。他にそういうページはいくらでもありますから他を更に検索してみて下さい。

そのようなわけで、このブログの成り立ちをご理解下さり、それでも興味を持った人だけお付き合い下さい。それでも写真を全然載せないわけではありません。エッセイの挿絵程度には出そうと思っています。

実はまだタイトルバナーの右以外に未だ1枚も写真を出していないうちに、お1人からnice!を一つもらって嬉しかったりもします。「あー、私のあんな真面目臭い文章を見ず知らずの人が読んでくれたんだ」とね。

それでは次回から「ケニア撮影旅行記」(Yasuoの写真三昧の旅)はいよいよケニアから始まります。書き溜めてあるものをアップするのではないので、忙しい時は間隔は週一ぐらいになっちゃうかも知れません。気長にお付き合い下さい。


ケニア撮影旅行記(3)---羽田・関空からドバイ経由ナイロビへ [Kenya Safari]

ケニアの首都ナイロビまでは日航とエミレーツのコードシェア便(共同運航便)で行きました。羽田から関空までは国内便の日航機に乗り、関空からドバイとドバイからナイロビはエミレーツ機に乗ります。ナイロビまで他にもいろいろな行きかたはあるようですが日本からの直行便はありません。同じ距離でも直行便の有無は行き易さに大きな違いがありますよね。特に荷物がカメラ機材とかパソコンとかの壊れ物の貴重品の場合如何に安全に運べるかの気苦労が多いですね。機内持込手荷物をどうしようかとかは実際やってみなければわからないことが多いです。幸い経験豊富な兄がいるので事前に聞いて兄がパスしたんなら私も大丈夫だろみたいなことで随分助かりました。

このケニア撮影旅行記は2004年8月から過去に4回行ったのを今、順を追って思い出しながら書いているのですから最初の部分は既にもう3年半も経過しています。ただ撮影旅行なので写真がいっぱい残っています。全部デジタルなので写真から撮影時間は正確にわかります。カメラの時間合わせは日本時間のままにしておいたので時差を引き現地の撮影時間となります。写真は日付ごとに同じフォルダにまとめてあるのでその日に撮った写真をざっとサムネイルで見渡せば当時の状況が時間順にに思い出せるってわけです。大量に撮ってる写真の中にはブレたりピンボケだったりするのもありますが何せ撮影旅行なのですからすべて気合を入れてシャッターを切ったはずなのでExif情報を見るとその失敗の原因なんかもある程度推測出来ます。このことによって数年前の細かいことでもかなり生々しく思い出すことが出来ます。今更ながらデジタル写真って本当に便利ですね。

さて、関空から無事出国出来ました。ここからドバイまで9時間以上タバコ吸えません。日本時間だと寝る時間に近づくのですが初めてのアフリカ旅行なので興奮してあまり眠れないかもしれません。こういうときニコチン中毒は辛いんですよね。幸い担当のスチュワーデスさんが日本人だったので機内のディナーの後も気軽にアルコールどんどん頼めました。シャンパン、ワイン、ビール、ウィスキーと次々もらいました。ビジネスクラスで何故かこのときは空席がたくさんありました。私の隣には兄しかいないので少しぐらいアルコール臭くなっても大丈夫でした。

ドバイに着きました。ドバイ着いてから出発までは3時間以上はあったと思います。ドバイは日本でもいろいろ話題になることが多いところで空港見ただけでもお金持ちそうな感じがします。空港内でもいろいろ見るところはあるのかもしれませんが酒とタバコを仕入れただけで私は出発までビジネスクラスの待合室で体力温存していました。喫煙席もたっぷりあるし(笑)。ドバイ出発便はバスで外へ出てタラップを上らなければなりませんでした。現地時間朝9時前でしたが、あーやっぱりドバイは蒸し暑いと汗だくでタラップを上りました(手荷物欲張ったのでw)。ドバイ空港は広いし、エミレーツでもナイロビ行きなんかはあまり重要視してないのかな?飛行機も関空からドバイまでと違って機種名は忘れましたが古めで、機内食も日本食なんか出ないのは当たり前としても私の口には合わない味だったので殆ど食べなかったです。ドバイからナイロビまでは5時間ぐらいです。ここでは半分ぐらいは眠れました。

ナイロビ空港到着していよいよケニア入国ですが、入国審査終わって無事到着してた大きなスーツケースをころがして出ようとしたら検査官みたいな人に呼び止められてスーツケースは中身全部開けさせられました。結果は無事放免となりましたが旅慣れない私にはかなり冷や汗ものでした。


ケニア撮影旅行記(2)---出発までの準備 [Kenya Safari]

行くことを決めてから、出発まで1年近くもありました。何故かって、旅行社の一般募集のアフリカ・サファリツアーに参加するのではなく、特別のプライベート・ツアーなのでそうなりました。この長い待ち時間が悪かった(笑)。当初はそんなにお金をかけるつもりはなかったのですが、いろいろ試すうちにどんどん欲が出てきて結局最新のプロ仕様機材一式を揃えることになってしまいました。
ここですぐ用意した機材一式を書くと物欲自慢みたいに見えちゃうと思うので機材の話は具体的な撮影記事の中で紹介します。

私は体力に自信があるほうではないので揃えた機材を試すのに苦労しました。CONTAX使っていたときも望遠は200mmまでしか使ったことありませんでした。野鳥や鉄道写真やカーレースなどを撮りに行く趣味も私にはありませんでした。プロ機材はみな重いので都会に住んでる私は本物の自然の中ではなく動物園や植物園へ出かけてオートフォーカスの具合やレンズの解像力のテストなどをして本番にそなえました。肖像権の問題が厳しい今日都会の中で大きなカメラに望遠レンズなんか付けてうろうろ出来ません。やってる人はいるかもしれませんが私にはそういう度胸はありません。

撮った後のレタッチは、Photoshopを普通のデジカメやスキャナでけっこう前から使っていたので心配ありません。フィルム時代にも私は暗室作業が好きでした。撮った後自分で仕上げるのは撮るのと同じぐらい楽しいです。ちなみにパソコンでやるフォトレタッチを明るい暗室なんて言うのですよね。

まあそんなこんなで準備していよいよ2004年8月15日アフリカ・ケニアへ出発することとなりました。
ツアーのリーダーはアフリカ歴40年のプロフェッショナル映像作家のA氏でハイビジョンビデオと写真の両方撮ります。その他の同行メンバーは今現地での集合写真を見たらリーダーの家族も含め15人いました。全員カメラは持って行きますが兄や私みたいにプロまがいの重装備の人ばかりではありません。またメカにあまり強そうでない女性の方や年少の方もいました。


ケニア撮影旅行記(1)---序文 [Kenya Safari]

私は決して旅行好きではないし、外国旅行も進んで行こうとするタイプでもない。加えて今や嫌われ者のヘビースモーカーで飛行機の長時間の禁煙なんかも苦痛です。
そんな私が2004年8月から夏に4年連続して東アフリカ・ケニアに撮影旅行へ行ってきました。

きっかけは既に十数回もアフリカ行っていた元新聞記者で写真もプロ並みの兄に誘われたことに始まるのですが、ちょうど当時それまで性能の割りにはとても高価だったデジタル一眼レフが高性能のまま買い易くなって私の写真趣味が大いに刺激されました。
フィルム式の一眼レフはまだデジタルカメラなんか殆ど無かった時代に長らく、今は撤退しちゃったCONTAXを使っていましたが、実用となるコンパクト・デジカメが登場してからはほとんど使わなくなっていました。
それでも心の隅にデジタル一眼レフカメラが35mmフィルムカメラの性能を抜くころにはまた一眼レフでまともに写真を撮ってみたいなと思っていました。

つまり最新のデジタル一眼レフで思いっきり写真三昧してみようというのが、ケニア行きの一番の理由です。「写真三昧するにはどうしてアフリカ行かなきゃならないのか?」はこの旅行記を進めるごとに明らかになると思います。また撮影時の苦労話なんかもこの旅行記の中でお話しようと思います。

このようにこの旅行記は普通の海外旅行記とは違います。一緒に行った他の人はともかく、私はほとんど観光気分ゼロでひたすら自分の写真趣味を満喫させるため行ったので、撮影関係のマニアックな話は出て来ても観光的にアフリカ・サバンナを紹介するものとはちょっと違います。そうは言っても普通に見てもなるべく興味がわくようにわかりやすく、またサバンナで強かに生きる動物たちのお話も少しは書きたいと思います。

それではご縁があってご覧になられる皆様、今後ともよろしくお願い致します。


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